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父親の視点から考えてみよう

今時の若い者は~は禁句なのか

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どの時代、どの世代でも、必ずその時代の年長者
からは「今時の若い者は~」という小言をひとつ
ふたつ、もらった人は少なくないと思います。


僕の学生時代、それこそ1年ごとにめまぐるしく
電子機器が進化を遂げ、ポケベル、PHS、携帯と
身の回りの持ち物が劇的に変化していきました。


それに呼応するかのように、これまで問題視されて
いなかった様々な事象が生まれ、その度に大人たち
は子供を叱り、時には嘆いてきたと思います。


そして現在、更なる進化を遂げた電子機器は、大人
も子供も見境なく夢中にさせるSNSやゲームを開発
して、一昔前の大人が叱っていた事柄さえ、もはや
大人自身がやってしまっているケースもあります。

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昨今、「ゆとり世代」や「さとり世代」、今では
西暦2000年以降の「ミレニアム世代」などの総称
が、メディアを中心に喧伝されています。


ですが結局のところ、僕たちが学生時代でも当時の
大人たちからすれば「ゆとり」や「さとり」だった
わけで、メディアの印象操作ひとつで、如何様にも
なってしまうのも、可哀想なことだと思います。


今年入社の新卒社員と面談した際、彼は随分興奮
しながら「ゆとり世代と云われると腹が立つ」と
僕に訴えてきました。


この訴えに対して僕は、上述のような内容の話を
しましたが、彼はまだ不服だったのか、今の上司
への不満や、研修の際に講師役だった僕の先輩の
悪口を止めどなく話してきました。


彼の上司批判を受け流しつつ、気のすむまで話して
もらったわけですが、面会後は少し寂しい気持ちに
なりました。


彼の話から感じたことは、「~~世代」と揶揄
される若者たちは「我慢を強いられない教育」を
受けてきた人が多い印象があります。

彼だけでなく、ここ3年以内の新人の中で最も
多いのが「夢は語るも諦めるのは早い」ケース。
※無論、全員がそうではないと思います。


僕たち昭和生まれの世代は、我慢なのか忍耐なのか
もはや分からないまでも、先輩に脅かされ、先生に
多少なりとも畏怖の念があり、こんなことをすると
どうなってしまう…という想像力が豊富でした。

ですので善悪は別にして、入社した最初の年度は
猫もかぶりますし、腹の内は見せずに先輩の指示
を従順にこなしたものです。


そのうちに、だんだんと会社の負の部分が見えて
きて、口に出さずとも不必要な規則や業務、先輩
が分かってきますので、勝負はそこからでも十分
間に合います。やりたかったこともできるように
なると思います。


ところが彼のように、我慢が効かない人は入社して
まだ半年も満たない状態で、会社の全てを理解した
かのような発言をしてしまったり、関わりの少ない
他部署の先輩に、止めどなく上司への不満を喋って
しまったりと、自分で自分の評価を下げています。


この「我慢が効かない」は「想像力の欠如」にも
かなりの高確率で直結します。素直に思ったこと
を口にすることは悪いとは云いませんが、やはり
今これを云うと先々こうなるな…という想像力が
乏しい人は、これから先、苦しむと思います。

hidechichi.hatenablog.com

余談ですが、サッカーの話を少しだけ。

昨年度の高校サッカーにおいて、高円宮杯U-18の
プレミアリーグ優勝、そして冬の全国高校サッカー
選手権大会優勝と、二冠を達成した青森山田高校の
黒田剛監督は、取材の中でこう述べています。

自分たちのやりたいサッカーをやるということ
は、自分たちがやりたくないことをどれだけ
できるかというところの逆算になります。

良い守備をしっかりとやって、相手に好きな
ことをさせない。相手だって、やりたいことは
攻めることなので、やりたいことをさせない
ことが自分たちのやりたいことにつながると
感じています。


勝ち続ける組織の作り方 青森山田高校サッカー部の名将が明かす指導・教育・育 [ 黒田剛 ]


青森山田という全国屈指の強豪校で、プロを目指す
ことを主体とした学校であれば、指導理念において
勝つためにすべき「我慢」を教え込むと思います。


ですが一般的な学校に通った僕を含めた大多数は、
そのような教育は受けていません。ですので…


僕はこの「我慢強さ」を教育することに限っては、
学校に期待をしていません。むしろ、学校という
集団生活に入る前に、親がどれだけ「躾」をして、
我慢強さを教え込むことができるかだと思います。


やりたいことをやらせるのは簡単ですが、では誰が
やりたくないことをやらせるのか。大人である我々
は何でも自由を与えるだけでなく、その自由を得る
ために必要な我慢を教えていく必要があります。


そのためにも僕自身が実社会の中で、どれだけ
我慢の見本を見せられるか、そして実体験した
ことを語り伝えていけるかだと思います。


結局のところ、いつの時代も「今時の若い者は」を
使わないと説明がつきませんし、あえて社会の先輩
として、小言は云うべきかもしれませんね。


hidechichi


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