新型コロナウイルスによる感染拡大で、
過去に類を見ない事態となっています。
東京都知事の緊急会見で、今週末の外出に
対する自粛要請が発表され、隣接する関東
他県も東京都との往来を自粛するよう要請
を出す事態となりました。
都知事の発表に対し、「要請では意味なし」
とか「外出した人に罰則を与える」という
意見が出ていますが、それは無理な話です。
我が国は法治国家の下、現行法に則る事が
原理原則であり、国民の自由と権利に傾倒
した戦後日本の法体制では、精一杯の拡大
解釈をしても「要請」が関の山となります。
海外のように軍が出動して監視下に置いたり、
自動小銃を持った警察が街を封鎖する光景は、
現在の日本ではありえません。
旧法である大日本帝国憲法では、国民主権を
凍結して軍部の指揮下に置く「戒厳令」が、
存在しましたが、現行法ではありません。
ですので、首相にせよ都知事にせよ、どこか
玉虫色で生ぬるい発言に終始してしまうのは
仕方のない事という認識が必要となります。
その大前提の下で、国民一人一人が自分の
頭で考えて、最善を尽くす必要があります。
しかし。
依存心からか、首相や都知事、市長の発言
に対し、いきなり法にない補償を求めたり、
ミクロなケースに固執して行政の責任だと
騒いだり、とにかく自分の頭で考える事を
放棄した人が多いように見受けられます。
無論、政治家の仕事は法律を作る事ですし、
可能であれば強制力を持つ戒厳令に近い法
も将来、整備してもらいたいと思います。
ですが、ウイルスの感染スピードに対して
法整備が追いつかないのが現実で、ならば
現行法または特別措置法の法解釈を最大限
引き延ばして、要請を行うしかありません。
そして、すべての国民に対して平等かつ
誰にでも優しい法律など存在しません。
どんな職業であれ、大人であれ子供であれ、
誰か優遇すれば誰か傷つくのが法律です。
国がやってくれない、会社がやってくれない、
先生がやってくれない、という依存体質から
まずは脱却し、自分の頭で今できる最善の事
を考え、それを実行するしか道はありません。
平和ボケと揶揄される日本人は、この国難を
依存体質から脱却を図る機会としたいですね。
hidechichi